HubSpot✖︎ChatGPTのディープリサーチ連携を徹底解説
1. はじめに──データ活用における課題とAIソリューション
「顧客データはあるのに活かしきれない…。」こんな悩みはありませんか?
- 情報がツールごとにバラバラで探し出すのに時間がかかる
- 情報を集めても分析が追いつかない、どう分析すれば良いかわからない
- 専門チームや外部コンサルタントに依頼しないと高度な分析ができない
Deep Research Connector は、HubSpot CRM と ChatGPT を"直結"し、
誰でも自然言語で高度な分析や外部調査ができるようにする仕組みです。
つまり「データはあるのに使えない」というギャップを一気に解消してくれるのです。
➡︎ 「これって本当に自分たちでも使える?」
そんな疑問を持ちながら読み進めてみてください。
2. Deep Research Connectorの概要と主な機能
2‑1. どうつながる? 仕組みをざっくり図解
- 質問入力:HubSpot 画面内のチャットボックスに日本語で質問。
- データ照合:Connector が CRM 内の関連レコードを検索。
- 外部調査:必要に応じて ChatGPT が Web 上で追加情報を取得。
- 統合分析:CRM データと外部情報をまとめて解析。
- 回答表示:洞察を日本語で要約し、関連するレコードにリンク。
2‑2. 主な機能とポイント
機能 | 詳細 | 価値 |
---|---|---|
自然言語クエリ | コード不要。「今年Q2の失注理由トップ3を教えて」と入力するだけ | 分析専任者がいなくても高速リサーチ |
内部+外部データ統合 | 取引・会社・連絡・チケット + 即時Web情報 | 内部視点と市場視点を同時に入手 |
レコード自動リンク | 出力結果を関連レコード(取引・会社等)に紐づけ保存 | そのままタスク化・メール作成に活用 |
アクセス権継承 | HubSpot の既存ロールをそのまま反映 | 見せたくないデータは絶対に見えない安心設計 |
読み取り専用 | ChatGPT には学習させず、書き換え不可 | 情報漏えい・誤上書きリスクをゼロに |
バージョン履歴保存 | AIが出した回答を自動アーカイブ | 後から検証・比較ができる |
2‑3. 具体的な質問例
Deep Research Connectorを使えば、自然言語での質問が可能です。専門的なクエリ言語を覚える必要はありません。
2‑4. よくある質問 (FAQ)
Q. 料金は?
Deep Research Connector 自体は無料。
ChatGPT の有料プラン (Plus/Team など) が別途必要です。
Q. データは外部に送信される?
読み取り専用で暗号化通信。ChatGPT の学習にも使われません。
Q. 設定にどれくらいかかる?
既存の HubSpot 権限を流用できるため、5 分程度で完了。
Q. BIツールとの違いは?
過去分析中心のダッシュボードではなく、 "質問→即回答" の対話型。外部動向も同時に取得できます。
3. Deep Research Connector導入のメリット
- 分析速さが爆速:報告待ち時間ゼロ。思いついた瞬間に聞ける。
- "非エンジニア"でも使える:マーケや営業がデータチームに頼らず自走。
- 即時外部情報も一緒に:競合・市場動向をワンストップ取得。
- 中小企業でも導入しやすい:ChatGPT 有料プランを契約するだけでOK。
➡︎ あなたのチームなら、どの利点が一番刺さりますか?
4. 今すぐ始めるには?HubSpotとChatGPTを接続する手順
- ChatGPT 有料プランを契約(Plus/Team/Enterprise など)
- HubSpot マーケットプレイスから Deep Research Connector を追加
・詳細は HubSpot公式ガイド をご覧ください。 - 初回プロンプトを試す
例:今年度の最優良顧客トップ10社の共通点は?
たったこれだけ。設定自体は 5 分もかかりません。
4.5. 実際に使ってみた──Deep Research Connectorの威力を体感
百聞は一見に如かず。実際にDeep Research Connectorを使って、どのような分析ができるのか試してみました。
実際の入力内容
以下のようなプロンプトを入力しました:

Deep Research Connectorからの回答
驚くべきことに、わずか数秒で以下のような詳細な分析結果が返ってきました:


実際に使ってみて分かったこと
- 回答速度の速さ:複雑な分析でも数秒で結果が表示
- 詳細な洞察:単なるデータ抽出ではなく、ビジネス視点での分析
- 即座の行動提案:次に何をすべきかまで示してくれる
- 直感的な操作:専門知識不要で誰でも使える
これまで分析チームに依頼して数日かかっていた作業が、営業担当者自身が数秒で完了できるようになりました。これこそがDeep Research Connectorの真の価値です。
5. HubSpot×GPT ディープリサーチ機能 実用例
前提
以下の活用例はすべて「HubSpot CRM に蓄積された取引・会社・連絡・チケットなどの一次データ」が土台です。
データがCRMに正しく入っていなければ、AIは何もできません。まずは記録を徹底する文化づくりから始めましょう。
📈 実用例1:マーケティング - 効果測定と施策最適化
高転換顧客のプロファイル抽出とナーチャリング自動化
対象課題
- マーケティング施策の ROI が見えにくい
- どの見込み客を優先すべきか判断に迷う
- 取引(Deals): 取引ステージ、成約日、取引金額、担当営業
- コンタクト(Contacts): 業界、会社規模、役職、リードソース
- 企業(Companies): 年間売上、従業員数、所在地、業種
- Webサイト分析: ページ閲覧履歴、セッション数、フォーム送信履歴
- マーケティング: Email開封率、クリック率
- 成功パターンの特定
「過去6ヶ月で成約した案件の共通属性を業界・規模・行動パターン別に分析して」 - ターゲットリストの自動生成
抽出された成功パターンに該当する見込み客をリストで自動作成 - 個別メール配信
Web行動履歴に基づいてパーソナライズされたナーチャリングメールを自動配信
- マーケティング ROI 30%向上
- ターゲティング精度の大幅改善
ABM調査の効率化と競合分析
対象課題
- ターゲット企業の調査に時間がかかりすぎる
- 競合情報の収集が断片的
- 企業(Companies): 所在地、業種、従業員数、年間売上
- 活動(Activities): 過去の商談メモ、提案履歴
- コンタクト(Contacts): 役職、決裁権限、興味関心分野
- Webサイト分析: 自社サイト閲覧履歴、資料ダウンロード履歴
- 業界課題の自動抽出
「関西地域の製造業が抱える課題トップ3」を外部記事 + CRM内商談メモから統合分析 - 関心領域の分析
自社サイト閲覧履歴と資料ダウンロード履歴から顧客の関心領域を特定 - 個別アプローチ戦略の提案
企業規模・業界・過去履歴を基に最適なアプローチ方法を自動提案
- 企業調査時間を3時間→30分に短縮
- 提案精度の向上
🎯 実用例2:営業 - 効率的な案件管理とアプローチ最適化
受注見込み案件の優先度付け
対象課題
- 有望案件の見落としや対応漏れ
- 商談準備に時間がかかりすぎる
- 取引(Deals): 商談金額、成約予定日、取引ステージ、最終活動日
- コンタクト(Contacts): HubSpotスコア、最終接触日、役職、決裁権限
- 活動(Activities): メール開封履歴、資料ダウンロード、商談メモ
- 企業(Companies): 年間売上、従業員数、業界、導入緊急度
- 優先案件の自動ランキング
「今月クローズ可能性が高い案件を成約予定日×スコア×反応率で上位10件抽出」 - 商談前の情報整理
企業情報 + 過去商談履歴 + 最新ニュースを統合して「商談で重要な3ポイント」を自動生成 - 停滞案件の次アクション提案
商談履歴から停滞理由を分析し「追加資料送付」「決裁者アプローチ」等の具体策を提案
- 商談準備時間 30分→5分に短縮
- 成約率15%向上
停滞案件の"次の一手"提案
対象課題
- 停滞案件の対応策が分からない
- 失注リスクの早期発見ができない
- 取引(Deals): 停滞期間、現在のステージ
- 活動(Activities): 最終提案内容、過去の失注理由
- Webサイト分析: 自社サイト閲覧履歴、資料ダウンロード履歴
- 停滞理由の分析
商談履歴から停滞原因を自動分析 - 具体的アクションの提案
「追加資料送付」「決裁者アプローチ」等の具体策を自動提案 - タスクの自動生成
提案されたアクションプランを営業タスクに自動変換
- 停滞案件の復活率20%向上
- 失注率の削減
🔄 実用例3:カスタマーサクセス - 解約を防ぎLTV最大化
リスク顧客の早期検知
対象課題
- 解約の兆候を見逃してしまう
- 事後対応になりがち
- カスタムアンケート: NPS スコア
- チケット: チケット数、問い合わせ内容
- コンタクト(Contacts): ログイン頻度、最終アクセス日、エンゲージメントスコア
- カスタムオブジェクト: 機能利用率、プロダクト使用ログ
- 危険度の可視化
ダッシュボードで解約リスクを色分け表示(緑・黄・赤) - リスク要因の自動解説
「ログイン頻度50%減 + NPS低下 + サポートチケット増」の組み合わせから具体的な理由を分析
- 解約率20%削減
満足顧客への追加提案
対象課題
- アップセルのタイミングを逃している
- 手動での顧客分析に時間がかかる
- カスタムオブジェクト: 機能利用率、ライセンス使用率
- カスタムアンケート: NPS スコア、満足度評価
- 取引(Deals): 既存契約金額、アップセル履歴
- アップセル対象の自動抽出
「機能利用率70%以上 + NPS8以上」の顧客を自動特定 - 提案メールの自動作成
上位プラン提案をワークフローで自動配信 - CSMタスクの自動生成
アップセル商談のタスクを担当CSMに自動割り当て
- アップセル成約率25%向上
顧客満足度レポート自動作成
対象課題
- 顧客レポート作成に時間がかかる
- 継続契約の提案タイミングを逃している
- カスタムアンケート: 過去1年のNPS推移、満足度評価
- カスタムオブジェクト: 機能利用KPI、ROI算出データ
- コンタクト(Contacts): ユーザー数変化、トレーニング受講状況
- 個別レポートの自動生成
顧客ごとのROI、利用状況、満足度を統合したレポートを自動作成 - 継続提案の自動送付
更新打ち合わせ前に個別レポートを自動配信
- レポート作成時間90%削減
- 継続契約率向上
6. 今後のビジネス戦略におけるAI×CRM活用の重要性
Deep Research Connector は、これまで時間と手間がかかっていた"高度なデータ分析"を、誰でも簡単に実行できるツールに変えてくれます。専門的な分析スキルがなくても、営業担当者やマーケターが直感的にデータを活用し、戦略的な意思決定を行えるようになります。
AI時代に「CRMへ情報を貯める」意義
AIはデータを素材として学習・推論します。質の高い洞察 = CRMデータの質 × 量。
- 取引メモを残せば、商談洞察が具体的になる
- サポート記録を残せば、解約リスク予測が精度を増す
- メールや通話ログを残せば、提案文の自動生成が的確になる
顧客との接点データをHubSpotのようなCRMに一元管理することで、AI活用の効果は飛躍的に向上します。データが蓄積されるほど、より精度の高い分析と洞察が得られるという好循環が生まれるのです。
Deep Research Connectorは、CRMに眠っているデータを活かし切れていない企業にとって、まさに変革のきっかけとなるツールです。まずは小さな一歩から始めて、データ活用の成果を実感してみてください。
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